SoftbankがVodafone K.K.の買収を合意!

endy1112006-03-17


今日の昼過ぎからネット上でソフトバンクがVFKKの買収交渉の最終合意に至ったという記事が発行され、夕方6時頃正式にリリース、その後に合同記者会見が行われた。


最終的な買収金額は1兆7500億。国内ではこの規模の買収は初めてだと言われている。
この規模の買収をどのようなスキームでまとめるかに個人的には興味を持っていたので、整理してみた。


今回のスキームはLeveraged Buy Out (LBO) と言う事は憶測されていたが、100%新規子会社を作り、ソフトバンクはそこに2000億円を出資する模様。


そして、この子会社が1.1〜1.2兆円を銀行や証券会社から借りるのだ。LBOという仕組みは買収相手(この場合VFKK)の資産を担保に資金を借入れる手法で、米国のリップルウッド社等が以前日本テレコムを買収した際に使った手法。その仕組みを勉強して利用したのだろう。


更に、今回の融資はNon-Recourse Loanという融資の形で、今回の買収によるソフトバンク本体への影響を有限としているのが特徴となっている。


Non-Recourse Loanというのは、借りた金額を返す対象が、VFKKの資産売却額や収益のみとなっている為、今回のソフトバンク本体への影響は2000億円と限定されている。


今回の買収交渉が発表になった際に格付大手のStandard & Poor'sやJCRは、現状の長期債に対する格付けを見直すという発表を行っていたので、結果的にそれを回避するものとなった。


これだけでは足りないので、ヤフー(1200億円)、VFグループ(3000億円)が出資する。
この目的としては、議決権を持たない優先株という事で事業には関与しない出資者となる。
更にVFが現在日本法人に融資している内1000億円を新会社の劣後債として投資するそうだ。


ソフトバンクは、その結果1〜2カ月中にVFKKの97.7%を取得し、2000億円以下のボーダフォンの有利子負債も引き継ぐ。


孫社長曰く、

「ローンは3000億円のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)を持つ新会社のキャッシュフローで返済できる。ソフトバンクの株主から見れば財務リスクを遮断できる」と今回のスキームのメリットを強調する。増資や転換社債発行などによるソフトバンク本体のエクイティファイナンスは「考えていない」と否定した。(ITmedia)

との事で現在のVFKKの収益力で十分賄えると答えている。


ソフトバンク全体の純有利子負債は現在4700億円という事なので、リスクを2000億円に絞ることにより、VFKKの既存15百万の顧客を手中に収める事となる。これにより、携帯事業を計画しているソフトバンクは設備投資を行わずに現金で買った事により、事業開始を促進した。


当初、個人的に予想していたグローバルなヤフーとのコンテンツ展開の協議も行われている事が明かされたが、具体的な内容はこれからだそうだ。


今年の11月に予定されているMNP(携帯番号を変えずにキャリアを変えられる制度)に向けて具体案がまとめられて行くだろう。


今後の展開は、まだまだ準備中だと思われるが、非常に面白い事になってきた。
格好良い端末と音声&データ定額が出てきたら、変更を考えようかな。


恐らく、日本テレコムやヤフーBBとのトリプルプレイ等も同時に出てくるだろうけど、うちはNTTなので、そこはあまり魅力無し。。。


期待しております、孫社長